2023.2.5
「色彩検定UC級」受験してみた
「UC級(色のユニバーサルデザイン級)」とは、色彩検定協会が、「色に携わる全ての人が色覚の多様性について正しい知識を持ち、配慮をすることができる」社会の実現に向け、2018年に新設された検定です。
UC(色のユニバーサルデザイン)とは?
UCとは「色覚の多様性に配慮した、誰もが見やすい色使い」のこと
特定の色の組み合わせが判別しにくい人は、日本人男性の20人に1人、女性の500人に1人で、約350万人存在すると言われています。
また、加齢によって色を見分ける力などの視機能が衰えることがわかっており、高齢化が進む中で大きな課題となることが予想されます。このような特性を理解し、配慮した色使いができる人を増やし、誰もが暮らしやすい社会を目指します。
引用:公益社団法人色彩検定協会ウェブサイト
UC級で学ぶ項目
- ・色が見えるしくみや色の表し方
- ・色覚異常による色の見え方
- ・高齢者の色の見え方
- ・ユニバーサルデザイン
- ・色のユニバーサルデザインの進め方
資格取得
弊社では、デザイナー3名が受験し、全員無事合格いたしました。
色彩検定協会から「UCアドバイザー」という資格をいただきました。
UC級で学ぶ知識は、色彩検定受験予定の方だけでなく、誰でも身に付けて損のないものばかりです。
ホームページやポスター・チラシ制作など情報を伝えるために色を活用する職業の方や、社内外向け資料を作成することの多い方にもオススメです。
実践ポイント
配慮すべき色の組み合わせ
赤色の使い方
赤は、何かを強調したいときに使われやい色ですが、1型・2型色覚というタイプは、赤と緑などの区別がつきにくく、赤が暗く見えるため、目立たなくなってしまいます。
改善策としては、背景色をコントラストが付く色に変えたり、赤をオレンジ寄りの明るい赤にする方法などがあります。アウトラインを付ける方法も有効です。
また、赤系と緑系の色の系統をとらえることが難しい場合があります。
それがどんな色であるかを表す色名を入れるなど、必要に応じて配慮が必要になります。
多くの色を使う場合
グラフや地図など正確な情報伝達が必要なものを作成する場合は、とくに全ての方に分かりやすい色彩設計が必要になります。
区別させたい対象物の境界線を入れたり、折れ線グラフなら実線と破線など、異なる線種で区別すれば、赤と緑の区別がつきにくい方でも見やすくなります。
高齢者の見え方について配慮した色使い
高齢になると、近くの物が見えにくくなる「老眼」だけでなく、「色の識別力」も低下します。これは水晶体の黄変によって、短波長側の光(青系)に対する透過率が下がることが原因で、青と黒色が見分けにくくなり、ガス火の青い炎が見えず、安全が脅かされることもあります。
表示の大きさや背景とのコントラストを適切に設置するなど、高齢者やロービジョンの方に対する配慮は、様々な視覚特性をもつすべての人に有効になります。
色覚異常の人の見え方を体験するツール
色のシミュレータ(無料アプリ)
色覚特性を持つ人の色の見え方を体験するための色覚シミュレーションツールです。
1型(P型)、2型(D型)、3型(T型)の2色覚の色の見えをスマホのカメラを使ってリアルタイムに確認し、一般の見えかたと簡単に比較することができます。
※iOSデバイス用、Androidデバイス用の両バージョンがあります。
Illustrator・Photoshop
AdobeソフトウェアのIllustrator、Photoshopにもシミュレーション機能があります。
「表示」メニューの中の「校正設定」から「P型(1型)色覚」と「D型(2型)色覚」が選択できます。
「P型(1型)色覚」を選択するとP型(1型)色覚の見え方にプレビューの色が変わります。
※疑似的な変換であり、実際の見え方と同じではありません。
※Illustrator2020・Photoshop2020参照
まとめ
今回「色彩検定UC級」を受験し、見え方の多様性を理解することで、色への配慮のきっかけになりました。
誰にとっても見やく、利用しやすい色彩設計を心掛け、多様性に配慮したデザインを提案していきたいと思います。
株式会社イケル デザイナー
デザイン・イラストを担当しています。お客様それぞれの”らしさ”を活かしたホームページデザインを作成します!
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