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早朝話し方お稽古

話し方のお稽古を、毎月1回、早朝6時30から講師の先生をお招きし、行なっています。講師の先生は、この道、50年の古賀千恵子先生です。

毎回、テーマを決めていただき、皆さんの前で発表します。そして、いろいろと感想や意見をいただき、ブラッシュアップしていきます。

今回のテーマは「故郷」でした。最初は、難しいなと感じましたが、深く考えるといろいろな記憶が蘇ってきました。

スピーチ「故郷」やましたひでお

生まれ育った場所は、岡山県の矢掛町という小さな町です。子どもの頃、すぐに登れそうな山の中や、田んぼや畑、渡れそうな小川、そして小さな商店など思い浮かべます。扇風機があれば耐えられそうな夏、布団にくるまれば耐えられそうな冬、決して厳しい四季が訪れることがない、そんな中に順応していた子どもの頃。耐え抜く強靱な力を備える必要はない、ほどよい自然や、ほどよい人間関係。現状を受け止め、それを楽しみ、そこでなんとかしていきたい、そんな故郷に影響を受けてきたのだと思います。何にも特徴的なものがない、強烈な印象のない、穏やかなところが私の故郷かもしれません。
故郷に合わせたのか、少し大きくなっても、その環境の中で楽しむ自分だったような気がします。切り開いていくのではなく、調和をとって、その中で染まって行く自分。決して前にでて目立つような行動もしません。その環境の中で、役に立つ自分になろうとしていたような気がします。

故郷を自分にとっての原点と考えると、事実より心情が加わってきます。大学生時代は、親元を離れて関東地方の埼玉県上尾市で過ごします。一人で、学費を払い、働き、学びました。親がいつも守ってくれて、管理してくれたころからの転換です。仕事と自由な学校生活の狭間で、自分を見失えば、失うものが出てくる。一人で耐えること、一人で解決することを体験していきます。耐えるから、工夫を生み出し、逞しさを磨いたような気もします。大人の社会を体験し、喜怒哀楽を、仲間と一緒に過ごしてきた、場所は自分の原点です。町の住宅街で、毎日朝日を感じる事が出来る新聞配達をしていました。雨の日も、雪の日も、体で朝を感じました。写真などでとらえることが出来ない、日々の暮らしの中で、悶々と若いエネルギーを発散します。まだ薄暗い朝、線路そば通る特急をみて、これに乗ればふるさとに帰れるんだよなと、感傷にひたったことを思い出します。写真やビデオなどの記録にはない、自分の記憶にだけある、人たち、景色がたくさんいます。苦い思い出や、辛い思いで、人へのトキメキ、恐怖心、感激などいろいろな想いが、今の自分の感情の土台になっていると思うと、そこは大切な故郷です。